【前編はこちら】
フェリーの欠航が決まり、雨のなか、とりあえずBooking.comで今晩の宿を探して予約した。昨晩は寝るだけの安宿だったけど、今日はゆっくり過ごしたかったので、もう少し良い宿にしようと、一泊1万円ほどの部屋を探して予約した。
フェリーターミナルから徒歩20分くらいにある、SingHome Homestay Mersingへ。
この宿は、Booking.comの写真を見て、リビングが広そうでいいなと思って予約したのだが、メルシンには高級ホテルはなく、1泊1万円も出したら、高級ホテルになるわけではなく、広い部屋になったのだった。
リビングの他に、ベッドルーム。
もう一つ、ベッドルーム。
まだあった!ベッドルーム!
「マレーシアの素朴な港町で、夫が、トトロに、出会った~」
という懐かしの世界ウルルン滞在記のフレーズと、ちゃっちゃらっちゃ♪ ちゃっちゃっちゃちゃっちゃ♪ ちゃっちゃちゃ~ら~ら~♪ というテーマソングが聞こえてきそうな、長閑でメルヘンな展開。
今までたくさんの旅をしてきたけれど、息子を連れてきていない今回、一番子供向けの宿に泊まってしまった。壁のスケールで身長測ってやりたかったよ。
宿の前のお宅には、恐ろしくどう猛そうな犬がいつでも顔を出していて怖かった。
野良犬もいる。
宿には鄙びたメルシンの街の案内地図もあったが、天気も悪いし、昨夜はほとんど寝ていないし、せっかく広い部屋でベッドは使い放題なのだから、部屋でゆっくり休むことにした。
夕飯は、街中まで行って、食堂で食べた。港町にいるのだからと、魚介系のものを。イカフライと、魚介のスープと、ごはんで、25MR(≒700円)ほど。
夜は泥のように寝た。
3つあるベッドルームのうち、まだ一番落ち着く柄のこの部屋で寝た(まさかの写真二度出し)。
宿をチェックアウトして、宿の人に車で送ってもらった。
フェリーが出るなら、フェリー乗り場まで。
フェリーが欠航なら、バスターミナルまで。
フェリーターミナルで宿の人が確認してきてくれた。
今日も欠航だ。
メルシンには、激しい雨が降っていた。
大雨で、海の色は茶色く濁りきっていた。
バスターミナルまで送ってもらい、シンガポール行きのチケットを購入。
渋滞もなく、順調にJBでの出入国を経て、3時間ほどでシンガポール・ブギスへ到着。
12月24日 クリスマスイブ。
シンガポールから陸路で行き来できるマレーシアへの旅とはいえ、一度シンガポールを出たらなんだか無性に日本の味が恋しくなり、ブギスでラーメンを食べた。日本を出て5か月、こっちに来て初めて食べたラーメンは旨かった。
ちなみに今回、ティオマン島で泊まるはずだったホテルは、Berjaya Tioman Resort。ビーチフロントのリゾートホテルでのんびりする予定だった。
一日一便のフェリーが2日間欠航していたということは、その日にチェックイン予定だった客はみなティオマン島へは渡れないはずだ。クリスマスホリデーの3連休で混みあっているはずだったであろうホテルは、当然客が来ない。チェックアウト予定だった客もフェリー欠航で帰れない。ティオマン島のホテルはそのような事態に慣れているのだろう。
このホテルは、直前にBooking.comで予約していた。自らキャンセルするつもりは全くなかったから、全額返金なしのプランを選んで支払い済だった。当然、フェリー欠航でも、ノーショーで終わっただけだ。
ホテル直予約でフェリー付きのプランで予約していれば、フェリー欠航の対応はあると思われる。
ティオマン島の旅は、ホテル予約サイトではなく、ホテル直予約をおすすめする。
私が企画する旅は、いつも好天のことが多い。
それはいつも、旅先を考える時にはまず、ベストシーズンの場所を選び、ガイドブックやネットで情報を集め、その時期の旅行記を探し読んで決めるから。
ホテルは普段から探すのが趣味のようになっているし、余裕を持って条件に合うところを吟味し、部屋も食事もスパも好みに合いそうなところを予約する。
安全で間違いのない旅をプランニングするのが、私の旅。
夫の一人旅は、その真逆だった。
ティオマン島へ行くことは叶わず、メルシンの港町への旅になった。
そこで特に何をしたわけでもない。乗り物に乗って、食堂でご飯を食べて、寝た。観光はひとつもしていない。
それでも夫は満足そうだった。
彼にとっての今回の旅は、本来はリゾートホテルでのんびりすることだったけれど、そこまでの行程は行き当たりばったりで、遅延・運休・欠航、様々なことが起こるたびに、どうにかしてリカバーする力を自分で試すのが面白かったらしい。
20代はバックパッカーや見知らぬ土地への出張を繰り返した。
30代は、夫婦でゆったりと旅をして、子供が生まれてからは安全な子連れ旅行をしてきた。
40代で日本を出てシンガポールへ移住し、人生の賭けに出てから、もう一度困難を乗り越える快楽のようなものを思い出したのかもしれない。
来月は、家族で陸路の旅を予定しています。この経験をもとに、今度は私の情報も入れつつ、長距離バスの旅に出るのを楽しみにしています。
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